【本】 カラフル / 森 絵都 の感想とか。

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カラフル  森 絵都 (著) 文藝春秋
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(前ブログより一部修正して移転)

突然訪れた再挑戦のチャンス

主人公は、大きな罪を犯して死んだ「ぼく」の魂。
「ぼく」の魂が、同時期に自殺した中学生の少年「小林真(まこと)」の身体に入り込み、小林真としての人生を引き継ぐ中で修行を積むことになるお話。

与えられた課題は、限られた期間の修行のなかで、前世で自分が犯した罪の大きさや内容に気づくこと。
それが出来たなら、魂が救われて輪廻のサイクルに戻ることができる、という設定。

人の心が持つ多様な側面

普段から本や映画に慣れ親しんでいる方なら、話のオチ自体は簡単にわかってしまうでしょう。
しかし、この本で作者が一番述べたかったことはそこにはないように思います。
最も重要なのは、作中で色を用いた表現で語られる「人の心が持つ多様な側面」でしょうか。

私たちは常日頃から他人に対して「この人はこういう人だ」という決めつけやレッテル貼りのようなことをして生きています。

しかし、
「その人は外面はそう見えても内面はどうか」
「家族の前ではどうか」
「友人の前ではどうか」
「好きな人や嫌いな人の前ではどう変わるのか」

といった面については、あまり注意を払えていません。

それはそれで、関係の薄い相手に関していえば何の問題もないのでしょう。
現代人には、関わる相手1人ひとりに対してそこまで向き合える時間は用意されていませんし。

しかしそういったレッテル貼りが、家族間や学校のクラス内のような、本人の生活や居場所の有無に直結する関係の中で行われていたとしたら。
レッテル貼りを食らった方にとっては息苦しい話ですよね。

そういった息苦しさには、私自身も少なからず悩んできた経験があります。
読者の皆様にも、そういった経験をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。

「私はみんなが思っているような人間じゃない!」と叫びたくなることもあれば「そういう側面もあるけど、私ってこういう性格も持ち合わせてたりするのよね」と呟きたくなることも。

そんな人には、共感できるという意味でおすすめの作品だと思います。
そうでない人にも、新たな視点に触れることが出来るという点で、おすすめです。

世の中のパパやママたちにとっても、今後お子様と向き合う中で有用な視点をゲットできる本となるかもしれません。

実はこの本で述べられていたことは、私にしてみれば自身の悩みや学童保育の経験等から至極当たり前のこと。
したがって、個人的にはその内容はあまりインパクトのあるものではありませんでした。

しかし各所のレビューを拝見すると、心にグッときた方が多いようですので、おすすめの本として取り上げさせていただきました。

お話も文章の書き方も易しく、字も大きくて読みやすい1冊となっておりますので、是非ご一読ください。

児童文学として評価が高いようですが、対象年齢は高校生〜大人まで、という気がします。

中学生でも読めるけど、諸々の「大人の事情」みたいなものがわかるようになってから読んだ方が、印象に残る部分は多いかもしれません。

実写およびアニメの映画版も存在するようです。
気が向いたら観てみます。

ほな、また。

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