【ドラマ】『 花燃ゆ 』感想~主要な男たちが居なくなってからが本番【レビュー】

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感想

前半は「志」なるものに感化された男たちが「外国から国を守るんじゃー! 強い国に変えるんじゃー!!」と言いながら、身内の日本人たちと小競り合いを繰り返す血生臭い話。後半は、主人公の美和が大奥みたいな所で周囲の人たちとぶつかり合いながらも色々乗り越えていく話。続いて、群馬県にて美和が富岡製糸場の発展に貢献し、これまた周囲の人たちと((以下同文

毎週のように人が死んでいた前半と、世の中の荒波に揉まれつつもそれなりに平和な後半とでは、かなり雰囲気が違ってたね。前半は志に燃える男たちが暑苦しすぎたり、歴史上の大イベントをナレーションだけでほぼスルーしていたりしたので、無理の無いスケールと人間模様に基づいてこじんまりと作っていた後半の方が好み。融通の利かないやつは前半で片っ端から死んでしまっているのもあって、後半は話もそんなにこじれなかったし。

伊勢谷友介、東出昌大、要潤など前半を支えていたキャストが軒並み居なくなった時は、一気に話がパワーダウンしないかと心配したけど、すべては後半から登場の田中麗奈さんが解決してくれた。大奥みたいな所の姫様役で、パワフル過ぎかつハマり役過ぎてすごい。奥が解散してからも不自然なほどに出演シーンがねじ込まれていたのは、キャラクターの評判が良かったからだろうか。

井上真央さん演じる主人公の美和(旧名:文)については、これもまた前半と後半で印象が異なる。前半は、男達のやることにいちいち首を突っ込んでは文句を言って邪魔をする、完全に要らない子と化してたね。歴史上のイベントが始まるところで肝心な場面をカットしてまで映ったのが彼女の顔ならば、そりゃ評判も悪くなるよ。

後半の、文から美和へと名前を変えたあたりからは、力強さよりも柔軟さを備えた女性として、少しずつ魅力のあるキャラクターになっていった気がする。押せ押せで喚いて周囲を黙らせるのではなく、基本的には周囲に溶け込み、上手くやっていくことを良しとする。大河ドラマの主人公としては落ち着き過ぎ・地味過ぎ感もあるのかもしれないけど、たまにはそういうのも良いんじゃないか。

物語のラストもこれまた地味で、1年間に及ぶ物語の集大成がそれかよ!と思わないでもない。でも「物語を通して私の志はこれでした。今後もこの志を大事にしつつ、こんな風に生きていきます」みたいなまとめっぽいこともしていたし、大沢たかおは最後に粋なことをしてくれたし、良いんじゃないかな。

何度も観たいとは思わないけど、ご飯食べながら横目で観る分にはそれなりに楽しめたよ。

以上。
ほな、また。

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