007 カジノ・ロワイヤル
007 カジノ・ロワイヤル 作品概要
2006年 イギリス・アメリカ
原題: 007 Casino Royale
監督:マーティン・キャンベル
キャスト:
ダニエル・クレイグ
エヴァ・グリーン
マッツ・ミケルセン
ジュディ・デンチ
字幕翻訳:戸田奈津子
感想
ショーン・コネリーが初めてジェームズ・ボンドを演じて以来、主演俳優を変えながら、50年以上にわたって続いてきた007シリーズ。
私が高校生の時に「007 慰めの報酬」が公開されるにあたり「そういえば007をちゃんと観たことがないな」と鑑賞したのが、この「カジノ・ロワイヤル」だった。
なお、2018年10月現在WOWOW様にて007シリーズ一挙放送が敢行されているので、近々古いものから007ツアーをかましたいと思っている。
ビギンズものなので、007初心者にも◎
長きにわたって愛され、大量のシリーズ作品が世に出ているものに途中から飛び込むのは、なかなかの勇気と時間と労力を要する。
そんな私たちに嬉しいビギンズもの・リブート(再始動)ものが最近の映画界では流行っているが、この「カジノ・ロワイヤル」もそのひとつだ。
ストーリーはボンドが”00(ダブルオー)”になる前のところからスタート。
上映開始後まもなく”00″に昇格するも、まだまだ迂闊で失敗だらけ。
ピンチに陥る度に力ずくで解決してしまうボンドは全然スマートじゃないけど、そのパワフルさがまた魅力。
パルクールでピョンピョン跳ねながら逃げる悪党を、ジャイアン的に壁ぶち破りながら猛追する様はどっちが悪人なんだかわからない。
フザけすぎない007
寡黙でクールな印象を基本としつつも、時々思い出したように遊びを入れて少しだけ口角を上げる様子はイヤミっぽくなり過ぎずカッコイイ。
アクションにしても必要以上の”カッコつけ”はせず、リアルから離れすぎないスケールの中で迫力が出るように作られている。
私は個人的な好みから、今回からのクレイグ版ボンドはブロスナン版ボンドにあるような一種の”軽さ”が無いので、かなり気に入っている。
普段の冷徹な様子もさることながら、敵を逃してしまいそうな時の「ふざけんな、チクショー!!」というような熱さが表情ににじみ出る様子なども、応援したくなる。
クール過ぎず、時々人間臭い部分を出してくるのが良い。
2時間半近い長尺ながらも、飽きさせない展開(※感じ方には個人差があります)
エンドロールを含めると2時間半近くになる上映時間。
ボンドは世界各地を飛び回り、テロ組織の資金源に深く関わる男を追い詰めていく。
「カジノ」の名がつくタイトルの通り、中盤はポーカーでの対決シーンに割かれることになる。
途中、アクションやアレやコレやを挟み込んで飽きない作りにはされているが、アクション一辺倒が大好きなお客様はここでダレてしまうかもしれない。
ポーカーシーンのオチなんていうのはだいたい決まっているし、某カイジみたいに((ざわざわ))しないし。
とはいえ、敵味方が一堂に会しての静かな戦いは、各人の演技力・カリスマ性の高さも相まって相当な緊張感がある。
この規模のアクション映画でそういった地味な戦いを山場に持ってきているのも珍しいが、このポーカーゲームはそれに耐え得るクオリティを持っていると感じる。
悪役も、実はやってることからして結構小物だったりするのだけど、役者の演技のせいで超大物悪党に見えてしまう。
新生ボンド、いきなり本気の恋をする
ジェームズ・ボンドという人は、毎回ボンド・ガールを変えて、毎回色んな女性と熱くも浅い関係を築いているイメージがあるが、今回は少し事情が違う様子。
もう本気のベタ惚れの、身も心も捧げる勢いの恋をしてしまうのだ。
相手も途中からノリノリで笑う。
(やたら露出狂のイっちゃってる女性の役が多い女優さんだが本作は至極マトモな方)
結構長めのイチャイチャシーケンスも含まれていたと記憶しているので、非リア充なお客様は心して観るように。
先代までの007を知っているとまた評価が変わるのかもしれないが、初めて007に触れる作品としては十分にオススメできる作品となっている。
少しお話が複雑(なように見せかけている)ところがあるので、1度観ただけでは話がよくわからないというお客様も居るかも。
まぁ、その場合はもう1回観てください。
以上。
ほな、また。
次回作↓
https://fravexe.com/007-quantum-of-solace/
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