評価
感想(少しネタバレ)
原作未読。2002年に映画版が公開されたが、これも未見。個人的に宮部みゆき原作の映像作品はショボいのが多いイメージを持っていたけど、このドラマ版は物語の構成と演出が巧く、見応えがあった。
全体を通して比較的無駄の無い構成になっていたし、端から端までキャストも豪華で見飽きない。特に、被害者遺族として登場する豆腐屋店主(演:橋爪功)は役者の演技も然る事ながら、キャラクターの掘り下げに深みがあって引き込まれた。家族を理不尽に奪われながらも日常を粘り強く続ける逞しさを見せていた男が、最後の最後にこれを崩して慟哭するさまには、奪われた命と日常が決して戻ってこないことを痛感させ、こみ上げるものがあった。(如何にもテレビドラマ的で、多少クドい面もあったけれど)
惜しむらくは、話が長いわりにずっと犯人に振り回されっぱなしで、主人公と犯人のパワーバランスが良くない(追い詰めていく感じが無い)のと、そのわりに終盤で犯人の牙城が崩れる過程があっさりしているのがアンバランスに思えた。事件解決に際しては作品タイトルの意味が「そういうことか!」と分かるアハ体験(死語)的要素もあって面白いのだけど、前・後編合わせて4時間超の長尺に付き合わせた末の対決は、もう少し迫力のある打ち合いが見たいところ。
以上。
ほな、また。
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