【映画】『 翔んで埼玉 』感想~関東全方位ディスを豪華キャストが全力で展開する~

【映画】『 翔んで埼玉 』感想~関東全方位ディスを豪華キャストが全力で展開する~
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翔んで埼玉

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翔んで埼玉 作品概要

2019年 日本
監督:武内英樹
キャスト:
二階堂ふみ
GACKT
伊勢谷友介
ブラザートム
麻生久美子

東京都民から冷遇され続けてきた埼玉県民は、身を潜めるように暮らしていた。東京都知事の息子で東京屈指の名門校・白鵬堂学院の生徒会長を務める壇ノ浦百美(二階堂ふみ)は、容姿端麗なアメリカ帰りの転校生・麻実麗(GACKT)と出会い、惹(ひ)かれ合う。しかし、麗が埼玉出身であることが発覚し……。
Yahoo映画より)

総評

評価:

豪華な俳優陣が、馬鹿馬鹿しい県民ネタに全力で勤しむ様子を面白いと思えるか否か。ここに評価の8割が懸かっている。
(残りの2割は、関東方面の地理や文化・地域間のパワーバランスに対する理解度)

振りかざされる正しさからクレームや炎上案件が溢れるこの時代に、ここまで多方面に暴言を吐きまくる作品が世に出て一定の評価を得たことは、前向きに捉えたい。

感想(ネタバレなし)

関東の県民ネタをどう受け止めるか

本作では、東京・埼玉以外を含めた関東全方位へのディスり1が全編にわたり展開される。
ここで関東民以外は、関東地方の知識が浅いために、ネタの理解度において不利な状況となる。
(筆者自身も、首都と地方による争いの構図と、東京および千葉の観光スポットぐらいしか理解出来なかった)
中盤のご当地小道具を用いたネタの応酬には、蚊帳の外に置かれたような気分になるだろう。

とはいえ県民ネタは、血液型診断と併せて古来より国民に親しまれてきたジャンルだ。
また何処の地域でも、都道府県間・市区町村間で似たような対立構造やマウントの取り合いはつきものである。
したがって、細かい中身がわからなくても「ウチの地域だとアレとコレみたいなもんか」と観客の中でいくらでも置き換え可能だし、「ウチの地域でこの映画を作ったらどうなるだろう」と妄想が捗って面白い。

神戸でよくみられる阪急沿線から阪神沿線へのステイタスマウントと、両者に挟まれたJR沿線も巻き込む南北三つ巴戦争で、90分ぐらいやれないだろうか。
無理か。無理だな。

ちなみに、関東全方位ディスとは書いたが、終わってみれば栃木・山梨あたりへのディスはほとんど目立たない。
遠くの世界でワイワイやってるのを眺める関西民より、すぐ近くの祭に寄せてもらえない同県民たちの方が、感じる疎外感は上かもしれない。
その心情はお察ししたいところ。

俳優陣の頑張り~構造的にはガキ使「笑ってはいけない」と変わらない

いくら県民ネタが市民権を得ているといっても、これを繰り広げる俳優陣がショボくては、30分と鑑賞に堪えないだろう。
この課題はGACKTを筆頭として、TVや映画をほどほどに観ていれば誰でも知っている面々が大量に集められており、90分引っ張るのに十分な程度にはクリア出来ている。
おかげで、スクリーンには最初から最後までギャラの高そうな新メンバーが続々と現れて豪華だ(演技力があるとは言っていない)

このあたり、本質的には年末特番でお馴染みの「ガキ使」「笑ってはいけないシリーズ」と同じ構造になっている。
次に誰が何をやらかしてくれるのか、またその意外性とハジけっぷりに笑う。そういう映画だ。
ネタを展開し続けるために薄い薄いプロットがある点も共通しているので、間違っても本作に物語の奥深さや高尚なメッセージ性などを求めてはいけない。


後片付け
1度観ればもう十分だけど、1度ぐらいは観ておいても損はしない。
最終盤は色々蛇足感が半端ではないが、そこまでついていけたなら、細かいことはもう、どうでもよくなっているはずだ。

以上。
ほな、また。


  1. 「ディスる」は「無礼なことを言う、蔑む、軽んじる」といった意味の「ディスリスペクト」が転じて動詞化したもの。インターネットスラングの一種。 

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