【映画】『 イコライザー2 』感想~個人的な感情強めで動くイコライザーは是か非か

【映画】『 イコライザー2 』感想~個人的な感情強めで動くイコライザーは是か非か
Pocket

イコライザー2

equalizer2_1

イコライザー2 作品概要

2018年 アメリカ
監督:アントワーン・フークア
キャスト:
デンゼル・ワシントン
ペドロ・パスカル
メリッサ・レオ

前作↓
test

感想(ネタバレ無し)

丁寧に作りこんだ重厚な作品の続編というのは難しい。
同じことの繰り返しでは代わり映え無いと言われ、ド派手にスケールアップすれば前作の重厚な良さが無くなったと言われ。
取り扱うテーマも前作の主人公らしい一貫性を持ちながら、異なる場面・異なる敵・異なるアクションを用意せねばならない。
(ジェイソン・ステイサムの「メカニック:ワールドミッション」などは1作目の真面目な雰囲気をかなぐり捨てて頭空っぽアクションに転化していて、ある意味潔かった)

幸いにも(幸か不幸か)このシリーズは1作目で主人公のパーソナルな部分は秘密にしていたので、続編ではそこを思いっきり掘り下げることにしたようだが、それが功を奏したのかというとかなりグレー気味。
善良な他者のために悪を討つ主人公のイメージとは大きく異なる運びとなるのを受容出来なければ「今回も面白かったなー、ちょっとモヤっとが残るけど」とならざるを得ない。
相変わらずの仏頂面職人芸と無敵感、悪い奴は一網打尽でみんなハッピー!な最適解はなぞってくれるから面白いのは確かなんだけどね!

equalizer2_2

個人的な感情で動くイコライザー

主人公マッコールの今作での生業はタクシードライバー。
日々多くの人を乗せるので他人の人生に触れる機会も多く、相変わらず色々と人助けをしていた。
前作でも登場した上司かつ親友なおばさまに「人助けもいいけどさぁ、そんなこと続けてても心の大事なところが埋まるわけじゃないでしょ? 1回昔から住んでた家に帰ったら?」とか言われつつ、序盤は前作から続く真っ当な人助けパートが続く。

しかし後半はかなり個人的な事情と感情で動くようになり、明らかに相手を殺すだけなら無駄なことをやってみたり、現代的なアサルトライフルをバカ撃ちしたりするような光景は、賛否が分かれるところだ。
往年のシリーズに巣くう古参ファンが「こんなのは〇〇じゃない!」って喚いてるみたいでかっこ悪いのは自覚しているが、それでも、ねぇ。
前作からしてequalizer(物事をイコールにする者)というほどニュートラルな姿勢の人ではなかったが、マッコールは他者のために動いてこそ、という前提をお持ちのお客様は少し苦い顔をしてしまうかもしれない。

equalizer2_3

相変わらずの無敵感

日本版ポスターには「今度の敵は<イコライザー>」とでかでかと書かれているので、前作と違って超強敵が現れて大ピンチ!になるかと思えばそうでもない。
これはたぶん日本の配給会社が悪い気がするので評価に影響しないポイント。

相変わらず着地点の綺麗なサブクエスト

前作の感想で当たり前のように書いた表現だが、サブクエストというのはTVゲーム界隈でメインストーリーとは関係がない(または、薄い)タスクとして発生するものである。
今回も前作から引き継ぐように、メインストーリーと同時多発的に人助けミッションがいくつか発生していて、それぞれ気持ちのいい着地をこなしている。
ちょっとメインストーリー側との噛み合わせというか親和性が良くない気はするが、それでも話が散らかり過ぎない程度の挟み方で全部上手く落とし込んでいるのはえらい。


ちょっと厳しめなことも書いたが、前作で謎に満ちていたマッコールという主人公像に厚みが出たのは確かであるので、意外とこっちの方が好みだという人も居るかもしれない。
前作を観た人はその流れで観ても楽しめる内容になっているとは思うので、劇場に足を運べないでもレンタルとか配信とかされたら観ておくといいと思う。
(ただしTOHO系シアターでみられる4DX上映は、コスト的な意味でも4DXのアトラクション的映画体験と合わない的な意味でも推奨しない)

ちょっと書き足りないところがあるので久々にネタバレ有りの感想セクションを下に用意した。
鑑賞済のお客様は下へスクロールください。





感想(ネタバレ有り)

前作でもそうだし今作の序盤でもそうなのだが、マッコールは原則として悪い奴らに2通りの選択肢を与える。
どっちにしろ痛いし片方は死が確定しちゃうのだが、私怨で殺す対象に対してこの原則を適用しない宣言をした場面はなかなか気持ちよかった。
「1回しか殺せないのが残念だ」と言ったあと、最期の瞬間にこれでもかと斬りつけて多段ヒットさせるなど、なかなか昂ぶる要素を盛り込んでいらっしゃる。

マッコール側の描写は嵐吹き荒れる戦場でも色々スマートでよく出来ている。
(平成が終わりを迎えるこのタイミングで、小麦粉の粉塵爆発なんてクラシカルなネタが観られるとは思わなかった)
だからこそ余計に、対峙する悪役が弱過ぎたのは悲しい。
敵のボスがクルマのトランクに押し込んだ若者を撃つ場面でマッコールがクルマのタイヤを撃って的をずらしたが、それで人質撃つのやめちゃうあたり御都合主義的で惜しい。
完全に位置がマッコールにバレてるのに自分が見失ったからって「出てこいよ!」って喚きながら逃げ場のないタワー上でぐるぐる回るのアカンと思う。
そんなんだから数年前にマッコールがしんだフリした後にCIA内で干されちゃったんじゃないかなって思う。

次は「キラー・エリート」ばりに互いの体を痛めつけあいながら戦える強い敵を希望する。

以上。
ほな、また。

映画カテゴリの最新記事