アンノウン
アンノウン 作品概要
2011年 アメリカ・ドイツ
原題: Unknown
監督:ジャウマ・コレット=セラ
キャスト:リーアム・ニーソン
ダイアン・クルーガー
字幕翻訳:石田泰子
交通事故に遭った男が4日間の昏睡から目覚めると、見知らぬ男が自分を名乗っていた!
(U-NEXTより引用)
総評
評価:
リーアム・ニーソン氏とコレット=セラ監督による他作品と同様「この後どうなるの!?」感の演出は素晴らしいもので、ミステリー的な意味での没入感はすごい。
細かいところは色々と描き方が雑だし、ストーリー自体も終わってみればシンプルで少し守りに入った感は否めない。
とはいえ見せ方が上手なので、観ても損しない程度には楽しめるのではないかと思う。
感想(ネタバレ無し)
ネタバレ有の感想は後回し。
アイツが俺の名を騙っている!
交通事故に遭って数日間爆睡した後、ホテルに帰ってきたら、見知らぬ男が我が物顔で自分の名前を名乗っている。
「お前誰やねん」と聞いたら「お前こそ誰やねん」と聞いてくるのだが、自らの身分を証明するありとあらゆる情報が相手の物にすり替えられており、「アイツが俺の名を騙っている!」と主張しても、誰にも信じてもらえない。
みんなにボロクソ言われて街に飛び出した後の孤独感は、喧騒の中でポツン、と途方にくれるリーアムさんの表情からよく伝わってくる。
冒頭からのシチュエーションで散らかした物は、観終わった後に「あれってどういうこと?」となりにくい程度に、ちゃんと回収されているのは好印象。
難点を挙げるとすれば、リーアム・ニーソンおよびダイアン・クルーガー演じる主役2名の行動に対する、動機の表現と作り込みが薄いぐらいか。
逞し過ぎた美人タクシードライバー
色々あってリーアムさんとペアで動くことになるタクシードライバーの姉ちゃん(ダイアン・クルーガー)は、1人でもグイグイ歩いていける系女子だった。
彼女が話に乗ってきてくれないと作り手も鑑賞者も困るのだが、事の大きさに対してあまりにも簡単にアクションを起こして土俵に上がってしまうので、かなり思い切りが良い。
巻き込まれた一般人枠のはずなのに、何が起こってもわりとメンタルノーダメージなので、逞しいことこの上無い。
ずっと付いてくるけどギャーギャー騒ぐだけで何もしない系女子ではないので安心して観ていられるし、美人。
個人的には、とてもよき。
余談〜接頭辞とかいう便利なもの〜
本作タイトルの「アンノウン(Unknown)」はknown(知られている、わかる)に否定のunがくっついて「わかんね」「何者?」って感じの意味。
全力で話題を逸らすが、大学の英語授業で先生が教えてくれた接頭辞という考え方は色々と便利である。
「un」「dis」「in」「im」が頭につけば、後に続く単語に対する否定を意味する。
単語の頭につく接頭辞とは逆に単語の後ろに付く接尾語というのもある。(「able」「en」等)
「believe」が「信じる」という意味だと知っていれば、「unbelievable」は否定を表す「un」と可能を表す「able」がついているので「信じられない」という意味だと推測出来る。
アンビリーバボーぐらいはサクッと覚えられるが、膨大な英単語を前に片っ端から覚えにかかるのは時間対効果が低い。
接頭辞や接尾語から単語の意味を推測する力を身につけておくと、英語を読むシーンでは意外なほど便利なので活用する価値はあると思う。
あとがき
何か強引だったな、という気分にはなるが、2時間弱を捨てた気分にはならなかった。
今どきもっとド派手でツイストしまくりの映画なんていくらでもあるが、あまり構えないでTV特番1本観るぐらいの気持ちで観るには丁度いいと思われる。
感想(ネタバレ有。鑑賞後の人向け)
以下、ネタバレ込みでの感想追記。
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終わってみれば、リーアム無双じゃなくてダイアン無双だったなぁという印象。
リーアム様は結局1人しか倒していないのに、素人のダイアン姉ちゃんは3人殺っている。
アクシデント的な殺しを装いながら、毎度強烈な意志を持って殺害に及んでおり、アサシンとしての素質有り過ぎだ。
エンドロール後に敵の残党が地獄の果てまでも追って来ようが、ダイアン姉ちゃんなら多少ビビりながらも返り討ちにしてしまいそうだ。
主題の謎の真相については、丁寧に風呂敷広げたわりにはちょっと安易かなぁという気もするが、個人的には嫌いじゃない。
しかしリーアム様覚醒時点で敵は雑魚が1人残っているだけなので、アクション面でちょっと不完全燃焼感はある。
ただ1人残った敵に放った「お前を殺す技術は覚えてるぞ」はカッコよかったので許してしまおうか。
あとは教訓として、爆弾を設置する時は、ちゃんと遠隔から強制解除出来る仕組みを実装しておくこと。
以上です。
ほな、また。
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