【映画】『 ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY 』感想~ウザダサワルカッコカワイイの極致【レビュー】

映画

評価

感想

多少無駄な部分もあり、テンポも決して良い方ではないけど、ハーレイ・クイン嬢がめたくたに可愛いのでそれだけで許してしまう。ハーレイ・クイン大好きなニッチな層向けに、小さいスクリーンでも配信限定でも良いから毎年続編を供給し続けて欲しい作品。

タイトル通り華麗なる覚醒を遂げた、圧倒的ウザダサワルカッコカワイイ

主人公ハーレイ・クインは、「スーサイド・スクワッド」に引き続き「ウザい」「ダサい」「ワルい」「カッコいい」「カワイイ」の全てを一身で体現してて、もう色々うるさい(それがいい)

今作では判断力・洞察力・戦闘能力すべてをさらに上のステップへ爆上げし、喜怒哀楽の表現もより極端で色鮮やかに。さすが「華麗なる覚醒」と表現するにピッタリな正統進化を遂げてて、とてもいい。

ここまで自由でビビッドなキャラクターを演じきるマーゴット・ロビーにとっては、まさにハマり役と言っていいと思う。狂気の裏に元精神科医ならではの聡明さを宿している部分のみせ方も含めて、相性が良くて勝手にハマったというよりも、キャラクターを研究し尽くして自分なりに落とし込んで一体化している感じがする。

ハーレイ・クインを絶妙に出し惜しみ、過剰摂取ギリギリの線を突くバランス感覚

その名をタイトルに冠した本作にあっても、全体的にハーレイ・クインが出し惜しみされているフシがある。

脇役の女性キャラクター達へ多め長めのスポットライトが当たっている間、観客はハーレイ・クインのお預けを食らってしまうわけだけど、個人的にはコレは悪くない采配だったと思っている。

彼女の引き際はいつも、いくらハーレイファンといえども過剰摂取で疲れる or 引いてしまうギリギリの線を上手く突いているように見え、焦らし効果で興奮をもたらすよう狙ってやっているのだとしたら、相当有能な構成ですよコレ。

余談だけど、過去にこのブログでも取り上げた2014年ハリウッド版「ゴジラ」も、同じように怪獣バトルを少し見せては取り上げる手法を採ってたよな。けれどもこちらは腹八分目どころか、口に入れる前のチラ見せだけで客の前から怪獣バトルを没収していたので論外です。

脇役陣は及第点。ユニバースの一環として主役を張るのは厳しいが……

さて、ぶっ飛んだハーレイ・クインの脇を固める女性陣は、どのメンバーも見映えはハーレイ・クインと並ぶと霞んでしまうものの、皆違うベクトルで掘り下げられているので個性は及第点。少なくとも「スーサイド・スクワッド」の脇役陣よりは自分の意志で動いていたし、立場も行動指針もバラバラなので、ちゃんとキャラクターとして居る意味がある。正直スピンオフで単独主演を飾れる面子は居ないと思うけど、本作の枠内では皆十分に役割を果たしていたと思う。

他称クロスボウキラーを演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッドは2000年代よりコンスタントに大小様々な作品に挑戦し続けていて、個人的にも応援している女優の1人。「スーサイド・スクワッド」ではジェイ・コートニーがブーメラン男として出演していたし、ダイ・ハードな姉弟1がDCユニバースの中で共演する日も近いだろうか。だったらもうブルース・ウィリス氏も出して欲しい(とか言ってたらブルース引退してしまった)

敵役のユアン・マクレガーは、怪演というほどでは無いにせよ、上品で愉快なクズを軽やかに演じている。クライマックスはもっと打ち合いがあっても良かったのではと思うけど、全体的に最適解から少しズレたところに着地させまくる映画なので、此処も意図的にハズしているのかもしれない。

アクションはハーレイ・クインらしく個性と彩り豊か

アクションシーンの監修には「ジョン・ウィック」の監督を務めたチャド・スタエルスキが関わっていることもあり、素直にカコイイ。寄り過ぎた画の細かいカット割り(= 何が起こってるのかわからないアクション)で逃げないのには好感が持てるし、基本をおさえた上でちょっとハズしてダサさと弱さと無駄が露呈しているところも、ハーレイ・クインらしさの出た良い演出になっている。

色使いも凄く鮮やかでkawaiiので、ハイコントラストなドルビーシネマでの鑑賞に堪えるね。蜷川実花氏あたりが撮ったらもっとその辺の色味を活かせそうだけど、長編をやらせるとアレなことになるので、10分ぐらいのショートフィルムで是非お願いしたいです。

後片付け

残念ながら日本ではCOVID-19の自粛ムードに真っ向勝負を挑む形となってしまい、私が観に行った公開3日目でもガラガラもいいとこだった。偉い人にはその辺事情を汲んでもらって、是非ともハーレイ・クインシリーズとして2作3作4作と続けていって欲しいところ。なんぼでも観ます。

以上。
ほな、また。


  1. ともにダイ・ハードシリーズの主人公ジョン・マクレーンの娘・息子を演じている。 

コメント

  1. […] さて、ここまでの評価はボロクソもいいところだが、それでも観る価値がありそうなのはやはりハーレイ・クイン嬢の存在だ。 ウザダサワルカッコカワイイ。めたくたにかわいい。わけわかんない。すき。 もうハーレイ・クインだけで映画作ってくれたらいいのに、とか思った人はたくさん居ただろうし、彼らにとっても私にとっても幸福なことに「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey」なるビビッドでメチャカワな映画が公開された。こっちも映画館で観てきたのでまた感想書きます。 […]

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