山猫は眠らない2 狙撃手の掟
山猫は眠らない2 狙撃手の掟 作品概要
2002年 アメリカ
原題:Sniper 2
監督:クレイグ・R・バクスリー
キャスト:
トム・ベレンジャー
ボキーム・ウッドバイン
エリカ・マロジャーン
↓前作
https://fravexe.com/sniper-movie/
感想(ネタバレ無し)
退役した主人公が現場に戻る流れは良かったが、アクション面がチープな印象で、もったいない作品だった。
ベテランスナイパー、現場復帰
1993年の1作目から11年経ってようやく続編が出た。
主人公ベケットは前作の時点でベテランのオッサンだったが、そこから11年も経つとさすがに初老である。
危険な任務での現場復帰の見返りとして、かつて軍に居た頃の階級をベケットが要求するくだりは、前作通りの渋みがあって良かった。
作戦の舞台は前作のようなジャングルでなく市街地とすることで「前のと同じやん」と言われるのを回避したのも、良い采配だと思う。
戦闘が始まる。様子がおかしくなってくる。安っぽいぞ…?
スナイパーライフルから銃弾が放たれると、いつも通りドンパチが始まる。
敵の攻撃から隠れるベケットの残念な身のこなしに「あぁ、初老だなぁ」と思わざるを得ないが、退役軍人さんだから仕方ない。
主人公が迫力ある動きを出来ないのを補うためなのか、ずいぶん火薬盛り盛りの大爆発が目立った。
やってることは地味なのに、爆発だけこれ見よがしにド派手かつスローモーションなせいで、白けるというか集中力が切れるというか。
(路面電車がパトカーどついただけで、この景色)
また、撃ち合いの演出にも問題があるようで、距離感の演出がかなり欠けていると感じた。
ベケットの立ち位置はスナイパーというよりも、現地レジスタンスと共に行動する護衛的なポジション、いわゆるマークスマンだ。
数十人規模の戦闘ならこれでもいいのだが、現地レジスタンスの戦力が貧弱なせいで大した戦闘にはならない。
短い戦闘の隙間に、映るが早いか撃つが早いかというペースで弾を撃ち込んでは逃げの一手、という展開となるため、不完全燃焼な感じが目立ってしまう。
一応スナイパーどうしの対決も用意されているが、ロケ地の複雑な作り込みに反して、かなり淡白な戦いだった。
戦争反対派おじさんが対決の真っ最中にベラベラ喋って緊迫感を削いでいるのもあって、非常に残念な仕上がりになっている。
大筋のプロットは悪くないと思うので、戦闘シーンをもっと丁寧にやっていれば、かなり化けたのになぁと思う。
以上。
ほな、また。
↓次回作
https://fravexe.com/sniper3/
コメント
[…] 【映画】『 山猫は眠らない2 狙撃手の掟 』感想~火薬量とアホっぽさアップ、渋み大幅ダウンの残念仕様 […]
私は今日、初めてこの映画を見て、時代背景がいつのことなのかもよく分かりませんが、スナイパーという兵隊を軍がこういう使い方をするものなんだ、とか、自由についての視点が文化論者らのとのズレを表現していて、文化論者と政治家の表向きのスタンスは一致しやすいけれど、その矛盾点をスナイパーを使って帳尻合わせをしてる、という視点が戦後日本でのマッカーサーらのイメージと随分違うのに驚きました。
正直、文化論者は敵と探り合いしてる時、スナイパーが全神経を集中させて先に敵の所在を発見しようと必死になってる時に、うだうだと説教じみて?というか、話しかけてきて、ひょっとすると?彼は実は平和主義者というスタンスのスパイ?では?と苛立ちを感じた。
映画では、敵側は冷徹な眼差しなのは、容貌の特徴なんだろうか?
実際に会う人で、確かに、裏切りっぽい容貌の人はいるし、また、そうでなさそうな人もいて、結構、そこは当たると思うのですが、、あれってどこから来る印象なんだろう?とこの頃、考えている。また、そういう印象が全く見えない美人が居るが彼らこそ、結構、裏切る為のスタッフというところが、、現実社会と映画との役割の違いかなあ、、と。
コメント有難うございます。
1. スナイパーの扱いについて
今作でのスナイパー達は米側のえらい人にとって、ひと粒で何度も美味しい(要人暗殺→平和論者救出→もし失敗してもプロパガンダには使える→全部失敗して戦死したって米側社会に何の影響もない退役軍人)というポジションでしたよね。
実際に兵士をこんなドライな使い方してるかはわかりませんが、何十人も送り込んで戦火が燃え広がるよりは本作のような形の方が、撃つ銃弾も死ぬ人数も国際社会での目立たなさも含めてコスパが良いのかもしれません。
2. ベラベラ喋る平和論者の件
「お前さん、此処で銃に守られながらそれ言ったって仕方ないだろうに」と全視聴者が思ったであろう反体制派オヤジですが、最後にはタイミングが余計とはいえ暴力の必要性に対する「気づき」を得ていましたね。
彼の仕事は米国に到着してからだと思うので、彼のペンが数百発の銃弾より影響力を持つものだと期待しましょう。
3. 人の容貌が与える印象について
殊に映像作品の世界では尺が限られてるので、誰が味方で誰が敵でというのは一目でわからないと観客も作り手も困るという側面がありますね。それを逆手にとった裏切りプロットも有効ではあります。
実社会でも、性格は顔に出るともいいますし、社会での揉まれ具合なんかも同様だと思うので、概ね人というのは見た目通りなんだと思います。一部の器用な人になると「ここではこういう人だと見せたい」という考えでいくらでも表情や振る舞いを変えられるようにはなるのですが。
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